ジンジャエールを飲みながら

大都会の片隅で働くしがないウェブ屋が、ウェブと全然関係のない読書とかアニメとかの感想を書き連ねるメモブログです。

ラノベ『織田信奈の野望・全国版』

ライトなノベルを読みたくて、図書館に行く家族に「なんでもいいから借りてきて!」って借りてきてもらった本。

 

信奈は結構前にアニメ版を見ていて、わりと面白かった記憶があるのだけれど、1巻はアニメと比べてもはハーレムラノベ的な展開が強くて少し引いてしまった。

でも途中に挟まるガチ歴史パートがおもしろい。

 

…と思っていたら、無印の信奈はハーレムラノベとして始まって、のちにシリアス展開が増えていったので、「全国版」で大幅改訂してシリアス路線に統一したらしい。なるほど。

 

シリアス路線が強くなる2巻後半からぐっと面白くなった。

4巻の金ヶ崎撤退戦とかめちゃめちゃ熱かった。好き。このあたりからハーレムよりも純愛に近くなってくるのもよい。

主人公はいろんな姫武将と本気で向き合っていて、その過程で好かれてしまったりも多々ある…のは(結果だけ見るとハーレムなのかもしれないけれど)、個人的にはとても好ましいと感じる。

なんていうのかな、恋愛の前に人間同士の関係がある感じ。

 

6巻の本猫寺編、女性蔑視の仏教と決別した本猫寺「にゃんこう宗」の影響で「姫武将」が一般化した…とかの設定が明かされたあたり、単なる女体化モノを超えてジェンダーSFだー!!って感じがした。

 

 

現在14巻まで読了。

完結までまだ8巻あるので、読み終えたら追加するかも。

読書:『女性の視点で見直す人材育成』

 

 女性の働き方に焦点をあてつつ、職場のマイノリティ全般(育児・介護・障害・健康上の問題などを抱えた、フルタイムで働く男性以外のすべての人)が働きやすい職場を作る…というテーマで、さまざまなデータを分析した本。

本書に掲載されたデータを、職場のさまざまな立場の人同士で話しあうための「共通の土台」にするために書かれている。

 

帯に「職場の科学」と銘打っているが、そのとおり、精神論ではないのがいい。

あと、2色刷りで読みやすい。

グラフがたくさんあるけれど、見やすい。

 

冒頭で、優れたロールモデルがいないから女性は働き続けることが難しい、というロールモデル論の限界が指摘される。

ロールモデルとして完璧に家事と育児と仕事を両立するスーパーウーマンを示されたところで、「ああはなれない」となってしまう。…という感覚は、非常に分かる。個人の努力だけで勝ち上がってきたスーパーウーマンのことは尊敬するけれど、誰もがスーパーウーマンになれるわけではない。

この本は、スーパーウーマンになれない普通の女性が働き続けるための職場づくりについて、科学的に議論するための本である。

 

スタッフ期、リーダー期、マネージャー期、ワーママ期の4つの立場について、課題や成果を上げるためのヒントについて、データを分析している。

ちなみにリーダー期というのは、指示を出すが評価はしない立場。日本企業にはよくある立場だが海外には少ないので、先行研究が少ないらしい。

 

ワーママが仕事のためにやっていることと、成果があがっているかどうかの相関関係のデータが興味深かった。

睡眠時間を削って仕事をした場合、成果は上がらないどころかむしろ下がる(負の相関関係があった)。

逆に成果が上がるのは、
・メンバーの状況や得意な仕事を把握し、適切な人に仕事を頼んでいる

マネージャー目線で言うなら
・仕事を頼んだときに、職場メンバーは快く引き受けている

つまり、お互いに手助けをできる職場であることが必要。

 

また、成果をあげるためのマネジメント行動としては
・責任ある仕事を任せている
・評価結果を適切に通知し、話し合いの機会を持っている
・将来的な昇進・キャリアの伸長の手助けをしている

などが正の相関関係。

つまり「ワーママには簡単な仕事だけ任せる」は間違い。

ただし、キャリアの伸長の手助けは、マネージャーがやってるつもりでもワーママ本人が手助けを受けていると感じていないこともある。「やってるつもり」にならないよう、注意が必要(他の項目も、マネージャーとワーママの回答で有意差があった)

 

「職場メンバーの競争意識を煽っている」とマイナスで、「チームとしての目標がある」とプラスになる。そりゃそうだよな、という感じ。競争だったら、フルタイム長時間残業の男性に、ワーママは勝てっこない。

 

そんなふうに感覚として「当たり前のこと」だと思っている部分を、きっちりデータ化して見える化してくれる本。

そして私だったら「当たり前のこと」だと思っている部分も、あんまり女性の働き方について考えたことのない人だったら当たり前だと思わないかもしれない。こういう本が「マネージャー・人事担当者・経営幹部 必携」という帯がついて、広く読まれるのはいいことだと思う。

 

 

イベント感想:おそアサ会(おそらくこの世でもっとも影響力があるアーサー王二次創作作品についての大座談会)

私はアンテナが低いので、前回のイベントが終わったあたりでようやくこのシリーズの存在に気付き、今回から初参加。

ボッチ参加なので片隅でおとなしくしていよう…と思いながら行ったのですが、そんな気持ちを吹き飛ばすくらいとても楽しいイベントでした。

 

冒頭、登壇者の女性陣が、推しのうちわを持っていた時点で「あれ?思ってたのと違う?」となったのですが、小宮先生が中世風のかぶりものでご登場されたあたりで今回のノリを理解しました。あのかぶりもの、初心者にも場の空気を一発で理解させてくれるすごいアイテムでした…!!

考えてみればあの『いかアサ』を創った人たちなのですから、はちゃめちゃ楽しいに決まってますね…!

 

あと、会場装飾とごはんもすごかったです。これは長くなるので記事の最後に書きます。

 

対談内容

日時:4月26日(金)18:00~20:00

出演: 

 小宮真樹子(『いかアサ』編者・近畿大学准教授)

 嶋崎陽一(フランス文学者・国際アーサー王学会日本支部会会長)

 椿侘助(『いかアサ』執筆者)

 山田南平(漫画家)

 〈司会〉岡本広毅(『いかアサ』編者・立命館大学准教授)

場所:池袋(Ellare)

 

 

以下、イベントの内容・自分用メモです。グレー文字は私の感想。
聞き書きしたものをまとめなおしているので、間違いや不正確なところもあると思いますがご容赦ください。(お気づきの点などご指摘いただけると喜びます)

 

流布本とは

おそらくこの世でもっとも影響力があるアーサー王二次創作作品=流布本サイクル。フランス流布本。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AD%EF%BC%9D%E8%81%96%E6%9D%AF%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB

アーサー王作品の最初は『ブリタニア列王記』。そこからふたつの系統にわかれていて、ひとつは史実に近いもの。もうひとつが、物語としてのアーサー王作品たち。(マロリーも後者の系譜)

 

流布本は大きく5つの巻に分かれている。

・聖杯由来の物語
・メルラン物語(マーリン)
・ランスロ本伝
・聖杯探求
・アルテュ(アーサー)の死

写本なので、流行やノリで話が付け足されたり改変されたり、写本職人がめんどくさくなったら削られたり、するのでいろんなバージョンがある。騎士同士のエピソードも豊富で、ランスロとモードレッドが仲良しだったり、アグラヴェインがイケメンだったり。

聖杯由来の物語は、聖書の話などなど。

ランスロ本伝が最初に創られ、それが聖杯探索と結びつけられた。ランスロは最初、「聖杯の騎士」として造形されたが、不倫をしているのでNGとなり、ガラハッドがあとから創られた。ランスロはギネヴィアに対して一途でなければならないが、聖杯を見つける血筋は決まっているので、整合させるために「魔法をかけられて子供を作った」ことになった。

完全な邦訳は出ておらず、一部のみ読むことができる。

 

嶋崎先生の解説

トリスタンがアーサー王伝説に加わったきっかけ。
以前に「韻文トリスタン」と呼ばれる作品たちがあった。バージョン違いはあれど、ひとつの物語だった。これをアーサー王伝説に取り込んだのが「散文トリスタン」。

散文トリスタンは家系の話とかを延々してる。読みながら「早く終わればいいのに」と思う。

(フランスの物語って昔からそうだったんだ…。ユゴー先生が設定の話を延々書き綴っているのは12世紀からの伝統だったんだ…)

 

写本(羊皮紙)は、キズをつけたところにインクを盛っていく。たくさん読まれるとインクが消えていく。開いたら真っ白だったこともある。キズは残っているので、光に透かすと読める。そうやって読んでいくと1日で2ページしか読めなかった。

 

西洋美術は「大きな話を書こう」から始まる。イングランド建国とキリスト教を混ぜて、壮大なランスロの物語を作った。

親世代にさかのぼって物語を膨らませていくのは、〇〇とかFate/Zeroっぽいですよね!(by小宮先生)
Fate/zeroにテンションあがって〇〇の部分がすっぽ抜けました…)

 

挿絵紹介ゲーム

流布本の挿絵をスライドに映して、参加者がどのシーンか当てるコーナー。
答えた人には山田南平先生のポスターをプレゼント。

・シャベルで撲殺
カインとアベルの絵。聖書物語。

・幼ランスロ一家と幼ボール一家。妙にそっぽ向いてる。

・円卓が長机。円卓に並ぶ食事がわりと謎。(乱雑)
円卓は意外と四角いです(by小宮先生)

・箱?に鼻をつけてクンクンしている絵…?
→泉で水を飲んでいるシーン
泉(ファンテン)は人工の水飲み場。この絵はちょっと低い位置だけれど。水が緑で描かれている(水が青で描かれるようになるのは15世紀以降)(by嶋崎先生)

・〇の中に波線が引いてある
→どこにでもあるので岩かな?と思っていたら、泉の描写だった。(by椿さん)

・ランスロは乳がでかい(ランスロの裸の絵が複数)
→「ランスロの唯一の欠点は乳がでかいこと」「彼の偉大な心臓には大きな容れ物が必要。私が神だったとしても同じように創るでしょう」などの描写も。

・林檎毒殺事件イナバウアー

・馬の顔がすごい
→意外と横から見たときのデッサンは取れている。正面は苦手なのだと思う。(by山田先生)

 

盾の紋章で、どの騎士のことかわかるらしい。椿さんが「ヒントは盾」と何度かおっしゃっていたのが印象的。

 

好きな流布本のエピソード

嶋崎先生以外のお三方は、山田先生直筆の漫画付きスライドで紹介。

椿さん

①ランスロの女難エピソード。
モルガンの息のかかった乙女に言い寄られ、拒否していたらベッドに潜り込まれ、肌着を引き裂かれた。剣で脅して、でも乙女はランスロが本気ではないと知っていて諦めないから、天幕の外まで逃げた。

②ガウェインはノリで口説くし手が早い。
出会って口説いて拒否られるまで1ページ。その後別のお姫様を紹介されて、寝ている姫を起こさずにキスしはじめる。そのまま同衾する。気付いた家臣が成敗しにくるのを一瞬で返り討ち。全裸でな。

ランスロは王妃一筋、ガウェインは気が多い。その対比がおもしろい。

嶋崎先生

ランスロとギネヴィアのシーン。「愛することによって徳を高める」
「恋愛は12世紀の発明」という説がいかに間違いか。これは間違いなくロマンスである。

よい愛・悪い愛のあった時代、流布本で二人の愛は「よい愛」として描かれている。

 

近年の日本社会では不倫の受け取られ方が変わっているように思う(by小宮先生)

(たしかにFGOランスロットも、マシュから冷たくされるのは「不倫男許すまじ」みたいなノリが根底にあるよな…と思ったり)

 

山田南平先生

ギネヴィア王妃が可愛い。
20歳くらいまで、ギネヴィアとランスロの不倫が苦手だった。でも流布本を読んでから推せるようになった。

ランスロがほかの乙女にラブだという誤報を真に受けた王妃がボールに宥められるシーンとか。

ランスロの血がベッドについてしまったときに「私の鼻血です」と言い張るギネヴィア王妃…あなた女性ならもっとほかの言い訳もあるでしょう!とか。

 

小宮先生

①リオネルとボオールのエピソード
美しい花冠をかぶった姿で、王の息子を殺害した。齢わずか10歳のときのエピソードである。(花冠は湖の貴婦人からの贈り物)

 

②マーリンがヤンキー
アーサーとギネヴィアの結婚式に、マーリンが来れないかもしれない。ローマに行く用事があるという。皇帝に嫁さんの浮気をチクリに行き、「ノーザンバラードのマーリン見参」と書き残して帰る。
なおこの「皇帝」はユリウス・カエサル。時代の違いとかは気にしない。

流布本は余談エピソードがたくさんあっておもしろい。
現在でもネットでこのキャラでこの話やる必要ある?みたいな話題が出るけれど、気にしなくてOK。推しで現パロでもユリウス・カエサルに会いに行く話でも、なんでもやっていいんですよ!(by小宮先生)

 

③ランスロとガルオー(ガルホールド)のBL。唇と目に口付けて慰めるシーン
日本語訳がない。山田先生が小宮先生にちょっと聞いたら、すごい量の訳が送られてきた。
(この台詞は岡本先生が読み上げてくださったのですが、めちゃめちゃイケボでした…)

 

「ガルオーは女性がランスロを愛するようにランスロを愛した」とありますからね…(by嶋崎先生)

 

流布本の後世への影響

①ダンテの『神曲』。
パウロフランチェスカという不倫カップルが「ランチェロの物語を読んだ」という。

 

②トマス・マロリー
「フランスの本にはそうある」と39回くらい書いてある。この「フランスの本」が流布本のこと。

ウソかホントかわからないけれど説得力がありますね(by椿さん)

昔の本は権威付けが大切だった。オリジナルのものを書くよりも、権威ある誰それが言っているほうが信頼された。(by島崎先生)

 

流布本の魅力 

 嶋崎先生:どんなふうに世界をとらえ、描くのか。円卓の騎士の話だけではなく、聖書やブリテン建国の話をしている。

椿さん:キャラのエピソードが多い。マロリーより詳しく、たっぷり読める。

山田先生:王妃がかわいい。推せるようになる。

 

小宮先生は、いままでたくさん語ったので…と(時間が押していたのもあって)コメントを省略。

 

会場装飾&ごはんがすごい

f:id:OginoYou:20190506221450j:image

会場装飾。聖杯と流布本のレプリカ。

 

f:id:OginoYou:20190506221536j:image

参加者テーブルには、円卓コースターと聖杯セットアップガイド。

コースターはコラボカフェでよくもらえるやつで、聖杯セットアップガイドは無配ペーパーみたいなやつと認識すればいいのでしょうか笑

裏面には登壇者のアカウント情報なども。(「おくづけ」や…!)

 

そして「軽食」が豪華!

f:id:OginoYou:20190506221013j:image

f:id:OginoYou:20190506221107j:image

小宮先生お手製のプチケーキ&ミートパイ&円卓ケーキ。生ハムの原木。生春巻き。 オリーブとお菓子。お酒。(写真がへたくそですが実物は100倍くらいすごかった)

ほんとすごかったです。「軽食」ってレベルじゃない。。

 

プチケーキには、小宮先生手ずから、騎士のピックを挿していただきました。(ありがとうございます)

 

トークは深いし、テンション高いし、ごはんはおいしいし、はちゃめちゃ楽しかったです。

 

 

おまけ。小宮先生のお母様がいらっしゃっていました。

席が近くて、最初に少しお話させていただきました。
(「まきこの母です」と自己紹介いただいて、一瞬、「???」ってなってしまいました…すみません…)

私が一人参加なこともお話していたのですが、交流タイムで隣の席の人たちとおしゃべりして、お互いの推しアーサー王伝説の話などで盛り上がっているのを見て、「今の方たちはこんな場所でお友達を作るのね」としみじみしていらしたのが印象的でした。

(今の人というか、オタク特有の友達の作り方だと思います…!)

 

 

▽公式の告知

 

▽イベント公式ページ
https://www.mizukishorin.com/blog/%E3%80%8E%E3%81%84%E3%81%8B%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%80%8F%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%81%E3%81%8A%E3%81%9D%E3%82%A2%E3%82%B5%E4%BC%9A

 

  

いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか〈アーサー版〉: 変容する中世騎士道物語
 

観劇メモ:『レ・ミゼラブル』2019.4.30ソワレ

f:id:OginoYou:20190501002227j:image

 

平成最後のレ・ミゼラブル
今年はチケット争奪戦が激しくて(多分チケットガイドに割り振られるぶんが増えて、公式が減っているのだと思う)、公式メインで挑んだ結果惨敗し、今シーズン最初にして最後の観劇…おけぴ譲渡が公式から認められているから、まだチャンスはある…。

 

この感想はアベセ(学生たち。というか、グランテール)に偏りがち。
バルジャンとジャベールに関しては、私が書き残さなくても先輩諸姉が書いてくれるのでは…という思惑もあり。脳内メモリが少ないのでアベセに全振りするしかない…という事情もあり。

 

f:id:OginoYou:20190501002233j:image

 

一日の終わりに

ファクトリーガールがファンティーヌに馬乗りになって殴っていた。このシーンこんなに激しかったっけ…?
男性陣に引き離されたあともかなり暴れていた。

「操正しい女が面倒なんかを起こすとは」ってひどい口封じだなぁと思った。いままで何度もレミゼを見ているけど、このフレーズ単体に嫌悪感を抱いたのは初めて。MeToo運動を見たあとだから、自分の感覚も何かが変わったのかもしれない。

 

対決

バルジャンとジャベールの争い、こんなに激しかったっけ…?(2回目)
ジャベがバルジャンに蹴り入れてるのは初めて見た。バルジャンからの攻撃も手数増えてる気がする。

 

テナ宿

鈴木マダムは迫力あって怖い。
コゼットが「暗くて怖いわ」って歌うときにお尻を掻きながら鼻歌でハモってるの、すごい演技だった…怖い…。

駒田テナルディエは安定。

 

強奪

モンパルナスが顔に傷がある。今年から?
あと、ジャベールがきたあと逃げ切ってた。(記憶にあるのだと、袖の方で捕まってた)

大矢ガブローシュは声が低めで、かっこいいガブ様。頼もしい。

 

ABCカフェ~民衆の歌

小野田アンジョルラスは背が高い。原作っぽい。

アンジョルラスに酒瓶を返されてから、とてとてとてっておどけて歩く川島グランかわいい。とっとて、とっとて、…みたいな謎のスキップ。

アンジョルラスが階段の上で、学生たち&ガブが階段下に集まったとき、グランは学生の輪の中に入っていってガブを引っ張り出していた。このあたりの、革命との距離の取り方は新演出で固定なのかな。
川島グランの革命との距離の取り方好きだなーって思う。すごくつらそうな顔をしている。

 

ブリュメ街~襲撃

小南コゼット、マリウスを想ってとても幸せそうに歌っていたのが、バルジャンの前では表情がくもる。「いつも悲しそうだ」って言われる表情になる。マリウスとの恋を知るまで、悲しみのほうが多い子だったのだろうなぁ。

 

パトロン・ミネット一味の誰かから奪ったバールのようなものを振り回して、テナルディエ&パトロン・ミネットと戦うエポニーヌ(強い)。このシーンこんなに激しかったっけ…?

そしてコゼットがエポニーヌを助け起すシーン、とっさに帽子で顔を隠す柚月エポニーヌが切ない。泣いた。

 

バリケード前半

恵みの雨。
柚月エポニーヌが終始笑顔。心から幸せそうなのが切ない。海宝マリウスはエポニーヌが死んだあと、額にキスしていた。

エポニーヌが運ばれて行ったあと帽子が残されていて、ガブローシュがマリウスに帽子を手渡した。その後、グランテールに縋って泣いていた。

 

バルジャンがジャベールを逃がすシーン。
川口ジャベールが掴みかかって、福井バルジャンが襟首掴んで、押し返して、壁に押し付ける。…このシーンこんなに激しかったっけ。

川口ジャベが軽く手を広げてゆっくりした歩みで出ていくの、「撃つなら撃て」って感じがした。彼はこの時点で、生きる意味を見失いかけているのかもしれない。 


バリケード後半

共に飲もう。
「死など無駄じゃないのか?」って歌う川島グランに、学生たちは「しっかりしろ」って声をかけてた。(「なんだと!?」って掴みかかるのはなくなってた。)
「なんだと!?」よりも、グランテールの言葉の意味が伝わってない感じがする。最高かよ。こういうどうしようもない溝があるの、グランテールだなって感じがする。

 
ガブローシュの死で、小野田アンジョルラスがかなりショックを受けていた。取り乱していたと言ってもいいかもしれない。バリケードに肘をついて、寄りかかるように嘆いていた。
「カブローシュ!」って叫ぶ川島グランテールの声が悲痛だった。

 

最後の戦い。
マリウスが倒れ、アンジョルラスが駆け寄る。嘆く彼の手をグランテールが握りしめ、アンジョルラスはその肩を抱き寄せ、それからバリケードを駆け上がっていく。アンジョルラスが先で、グランテールがあとからついていく形。形の上では前後だけど、気持ちとしては、グランテールもアンジョルラスと一緒に駆け上っていたと思う。

アンジョルラスが撃たれたあと、川島グランテールは最後、拳を掲げて「俺はここだーーッ!!」って叫んでいたと思う。(聞き間違いだったらすみません)

 

あと、最後の順番に撃たれるときに女革命家がいたんだけど…あの場に女性って、年によっていたりいなかったりする?(ずっといたらすごく恥ずかしい…角度の問題か視野の問題かもしれない…)

 

バルジャンの告白~結婚式~エピローグ

バルジャンの告白。
海宝マリウスは察するのが早い。

エピローグ。
小南コゼットが何度もバルジャンの手にキスしていた。バルジャンの手紙も泣き笑いのような表情で読んで、読み終えたあと愛しげに口付けしていたのが印象的。

 

カーテンコール

スペシャルカーテンコールの日でした。

マリウス役の海宝さん、アンジョルラス役の小野田さんが出てきて、
「平成最後のレミゼ、平成最後の帝劇です!」みたいな挨拶と注意事項の説明。フイイソロのパートは飛ばしての合唱でした(なぜ…?)

会場全体で「民衆の歌」を合唱しました。

 

読書:永山篤一『レ・ミゼラブル』

金曜ロードショーで某映画の放送があったらしく、「恋人は国」っていうフレーズがタイムラインに飛び交っていたので、アンジョルラスじゃん…という気持ちになって、ひとさまにレミゼをゴリ押ししたりなんだりしているうちに、自分が読みたくなったので、3章~バリケード陥落のあたりを読んでいた。

 

レ・ミゼラブル (上) (角川文庫)
 
レ・ミゼラブル (下) (角川文庫)

レ・ミゼラブル (下) (角川文庫)

 

 

佐藤訳(新潮)と辻訳(潮出版)と豊島訳(青空文庫)は読んでいて、ほかのもちらほらと目を通しているのだけれど、実は永山訳を読むのは初めてだったり。布教用に買ったも同然で、何度も人に貸しているのだけれど、自分で読むのは初めてだったのだ。。。

 

お気に入りシーンの有無をメモっておく。

 

【有】

・ブロンドー先生に名前を消されるボシュエ

・マリウスくんの家計簿

・マリウスくんのラブレター

・カビュク処刑(「ひざまずけ」以降はほぼそのまま。コンブフェールとプルーヴェールが手を繋いで見守るシーンも。)

・アンジョ「マットレスを」コンブ「無理だ、怪我人を寝かせている」のやりとり

・砲兵長を撃つシーン、「彼は君の兄弟だ」からのアンジョの涙

・コンブフェールの最期(負傷兵を助けようと〜空を仰いで息絶えた)

・グランテール「許してくれるかい?」

 

【無】

・アンジョルラスの描写「少女のように瑞々しい」「22歳なのに17歳くらいに見えた」「寄宿舎から抜け出してきたみたい」「女を知らない」などの描写。
浮気な女工を詰めたくあしらうシーンもない。
恋人は祖国(パトリア)もない。

・ボシュエの屋根が落ちて住むところがなくなった設定
(ジョリとルームシェアしている設定は出てくる。ミュジシエッタは出てこない)

・ハンカチを拾って「愛しのユルシュール!」ってなるマリウスくん

・大砲を見て「最新技術だ!」ってわくわくするコンブさん

・コンブさんの「家族あるものは去りなさい」
 →発言者の明記はないけれど、文脈的にアンジョが言ったようにしか読めない。

・国民兵「花を撃つようだ」

 

「家族あるものは去りなさい」がアンジョのセリフになってしまうのはいつものこと。とはいえ、あのセリフは間違いなくコンブフェールの見せ場のひとつなんだけど…まぁコンブの思想はアンジョに影響を与えているから…。。

 

あとボシュエの屋根の話とか、コンブフェールが大砲でわくわくするやつはともかくとして、「花を撃つようだ」はいれてくれてもよかったのに…と思わなくはない。
全体的にアンジョの描写が控えめだと思う。

 

ともあれ、魅力的なシーン・設定の大半は入っているので、布教用に初心者に貸して回るにはよい抄訳だと思う。聞いていた評判は正しかった。

 

ただ個別にアンジョを推したいときは新井隆弘のコミックスがいいかもしれない。

「22歳なのに寄宿舎から抜け出してきた美少年にしか見えない」 っていう設定を忠実に絵にして、時に冷酷さも見え隠れする革命の大天使…って感じのアンジョルラス(アンジョーラ)が完璧に描かれていると思う。

 

コンブフェールを推したいときはアニレミを勧めるのもいいかもしれない。っていうか私がアニレミコンブフェールを推したい。

アニレミはコゼットが主役で、翻案されている部分も多く、全体的に優しいしなやかな強さのある作品なのだけど、コンブフェール(CV羽多野渉)が最高にいい。かつてこんなにもコンブさんが優遇された作品がほかにあるか。やっぱりABCの友の中で「優しい強さ」を一番持っているのはコンブさんなのだと思う。

アンジョルラス(CV岸祐二)も、優しい強さのある人として描かれている。原作に見え隠れする冷酷さ、苛烈さは出てこない。このキャラ造形には、声優の岸さんもかかわっているらしい(岸さんは過去に帝劇でアンジョルラス役をやっていた人)(なおいまはジャベール役で出演している)。

レ・ミゼラブル 少女コゼット 11 [DVD]

レ・ミゼラブル 少女コゼット 11 [DVD]

 

 

 

おまけ。考察アンソロをやって、解像度があがった気がする話。

 

読書:ひかわ玲子『アーサー王宮廷物語』3部作

キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉

キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉

 

 

2006年に書かれたアーサー王伝説。「いかアサ」で紹介されていたので手に取った。

 

この作品、モードレッドの扱いがかなりよい。

サトクリフ・オリジナル版でもモードレッド(モルドレッド)はとても「魅力的な悪役」だったけれど、ひかわ玲子版のモードレッド王子は「悪役」ですらない。

聡明で理知的な王子様で、アーサー王との関係も良好。周囲からも概ね世子と認められている。主人公とは出会い頭の印象こそ最悪だったけれど、やがて相思相愛になっていくので、少女漫画的お約束という感じがする。

完全に正統派の王子様、まさしくモードレッド王子…!

(※余談だが、1巻のキャラクター紹介ではまだ騎士に叙任されていないので「モードレッド王子」の表記で出てくる。)

 

と、モードレッドの話から始めてしまったけれど、ちゃんと作品についても書いておく。

 

主人公はオリジナルキャラクター、メイウェル。妖精ニニアン(マーリンの伴侶)の年の離れた妹。双子の兄フリンとともにアーサー王の宮廷に伺候し、メイウェルはギネヴィア妃の小間使い、兄はアーサー王の小姓。

多少の魔法が使えて、主人公はミソサザイに、兄は鷹に変身できる。アヴァロンに引きこもってしまったマーリンの代わりに色々なものごとを見て報告するのも務め。

シャロットのエレイン姫とは幼い頃からの親友。サー・ユウェインに憧れ、ほのかな恋心を抱く少女。

そんな感じの設定。

 

メイウェルは、最初はサー・ユウェインに憧れているけれど、どんどんモードレッド王子に心惹かれていく。彼を知るほどに、その正義感や孤独や優しさを知って、サー・ユウェインへの「憧れ」とは違う「愛」を知る…そんな感じ。

 

女性視点から見たアーサー王伝説とのことで、親友のエレイン姫はもちろん、モーゲン・ル・フェ、イグレイン王妃、パーシヴァルの母など、女性たちの心情を思いやるシーンが多いのが印象的。

イグレイン王妃と三姉妹に同情し、マーリンやユーサーに対して疑問を覚えながらも、モーゲンのやり方には反発する立場。モーゲンと相対するシーンはとても熱い。

 

さらにメイウェルは、ギネヴィアの侍女ではあるけれど、ランスロット&ギネヴィアよりも完全にモードレッド寄りの立場。エレインのこともあってランスロットのことは許せない。(でもランスロットがギネヴィアをどうしようもなく愛していることも知っているので、葛藤もある)。

しかしそのうえでランスロットがモードレッドを殺しかけるものだから…話としては、わりとランスロットが悪役な気がする。

 

そして、この正統派王子様なモードレッドがアーサー王に叛旗を翻さざるを得なくなる事情は、アーサー王の円卓であってもやはり宮廷政治的なあれこれからは逃れられなかったということだ。  

 

キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉

キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉

 
聖杯の王―アーサー王宮廷物語〈2〉

聖杯の王―アーサー王宮廷物語〈2〉

 
最後の戦い―アーサー王宮廷物語〈3〉

最後の戦い―アーサー王宮廷物語〈3〉

 

 

以下、Twitterでの感想。

 

 

 

 

読書:『対等な夫婦は幸せか』

思ったよりもガチめの論文だった。(出版社で気付くべきだったかもしれない)

 

統計の二次分析によって、夫婦の対等性に関するさまざまな事象を分析していく論文。知識が足りなくて統計を読めないので、調査手法のあたりは読み飛ばしてしまった。

前7章+序章・終章と、長いので、興味深いと思った章だけメモ。

 

3章 夫婦間で仕事と家事の交換は可能か(水落正明)

目次

  1. 共働き世帯の家計構造と家事分担
  2. 家計構造と家事分担をどう測るか
  3. 家計貢献と家事分担の代替関係はどの程度か
  4. 共働社会の到来は何をもたらすのか

夫の収入の絶対額と家事分担割合に相関性はない。

末子が未就学児の場合、妻の負担が増えがち。

妻の家事分担が1%増えた場合、家計負担は1.4%~1.6%程度の減少をもたらす。
(個別推定では、0.3~0.4%の減少しかもたらさない可能性も示唆されている)

つまり、今後共働きが進んで妻の家事分担が減少する場合、それ以上に家計への貢献が必要になるが、平均的な市場賃金が男性に比べて低いため、家計貢献への負担が重くなる可能性がある。

 

4章 共働きで夫はストレスがたまるのか( 裵 智恵 

目次

  1. 夫の経験としての共働きというライフスタイル
  2. 妻の働き方で夫のストレスは異なるのか
  3. 性別役割分業意識と家庭の実情のギャップ
  4. 意識と実態のギャップが生み出す夫のストレス

 

共働きを夫の意識から分析することはあまり多くなかったらしい。

既存研究では、「共働きで夫がストレスを感じる」という研究が多めだが、逆の立場の結論もある。

▽先行研究の結論たち

共働きがストレスの理由:家事負担が増える、一家の稼ぎ手としてのアイデンティティを脅かされる。
共働きがストレスにならない理由:世帯収入の増加により、経済的に安定する。

 

▽裵の研究

性別役割分業の賛成派と反対派に分けて分析。

賛成派(保守派)も反対派(革新派)も、意識と実態が一致していればストレスは少ない。

意識と実態が不一致の場合のストレスの出方は差がある。
賛成派不一致は、参加する家事の数が多いとよりストレスがたまる。
反対派不一致は、参加する家事の数が少ないとよりストレスがたまる。

ストレスの度合いについては、個人の心身の不快な状態「ディストレス」を指標にする。

意識が保守・革新のいずれであっても、夫の収入割合が低い方がストレスになる→夫の収入が少ない=職場由来のストレスが多いのかも?

 

(以下、感想) 

革新派の場合のストレスが増えるの、「参加する家事の数が少ないと」というよりは、「家事に参加できないくらいに仕事が忙しいと」では…?

家事をお任せして趣味の原稿に全力投球してる時期なんか、別に全然ストレスじゃない気がする…まぁでも、〆切前の1~2週間とか限定だからストレスじゃないのかも。延々続くと申し訳なさが勝ってくるのか。

 

5章 夫のサポートが夫婦の結婚満足感を高める( 竹内真 

目次

  1. 対等な夫婦程結婚に満足しているのか
  2. 様々な「対等性」
  3. 夫婦の結婚満足を高める要因
  4. 何が対等な夫婦関係を生み出すか
  5. 結婚満足度の低い夫婦の特徴

まずは「対等性」を測定するため、7つの指標を用いる。

  1. 「(道具的サポートの)分担割合」:家計費負担と、家事・育児・介護も含めた家庭内サポートの何割くらいを負担してきたか。
  2. 「資産貢献割合」:資産形成に、家事・育児・介護も含めてどのくらい貢献してきたか。
  3. 「悩みの受け入れ」:相手の悩みを聞いてあげているのと、相手に聞いてもらう割合のどちらが高いか。
  4. 「評価」:相手を評価するのと同じくらい評価されているか
  5. 「金銭の自由度」
  6. 「(一人での)外出の自由度」
  7. 「自宅内の自由度」:家の中で自由に趣味などができるか

それぞれの項目のバランス傾向ごとに5つのクラスタに分け、その結婚満足度と比較する。

f:id:OginoYou:20190330161336j:image

それぞれのクラスタごとの特徴を単純化した描写(カッコ内は私の感想)

①自由度高群(家庭を顧みないタイプのバリキャリ女性)
②サポート過剰利得群(若い世代の専業主婦=夫は高収入かつ亭主関白じゃない)
③評価低群:夫に評価されないと感じている専業主婦
④負担感大群:仕事と家庭の二重負担に苦しむ妻
⑤情緒サポ受・自由度低群(情緒サポートを過剰に受けているので、他の部分で遠慮がち)

結婚満足度が高いのは、夫婦ともに②(有意に高い)。次いで⑤。

結婚満足度が低いのは、夫婦ともに③(有意に低い)。

①では妻の満足度は中程度、夫は低い。
④では妻の満足度はかなり低く、夫は中程度。

 

結論としては、共働きが結婚満足度アップにつながるためには、妻の就業が妻の負担感により強く結びつくのか、互いの評価の対等性に結びつくのか、が分かれ目。
夫婦の会話量や夫の家事参加の量によって決まる。会話の多い夫婦は満足度が高い。妻の経済力が高まるだけでは結婚満足度アップにならない。

 

(以下、感想)

我が家は⑤なのかなーと思う。
フルタイム共働きで家事分担は折半とはいえ、夫のほうが収入多いので、互いのお小遣いの額で差をつけている。不自由を感じてはいないけれど、自由に使える金額は違うので、自由度でいうなら低いのだと思う。そんな感じで、ちょっと遠慮がちになっちゃうんだよねぇ。。。

子どもはいないけど、いたら合理的に考えて多分私が育休取っていたので、外出の自由度や自宅内での自由度も減ったのだろうと思う。それは嫌だなぁとちょっと思っていたけれど、このクラスタが全体的に結婚満足度が高いのであれば、おおむね問題なくやれたかなとも思う。(しかし子どもって望んでもできないから大変だよねぇ)

 

7章 夫婦の働き方戦略( 松田茂樹 

目次

  1. 働き方戦略からみた性別役割分業
  2. 性別役割分業意識と夫婦の働き方の関係
  3. 夫婦の働き方戦略を決める要因
  4. 戦略の自由度と働き方戦略

『逃げ恥〜経済学』での、妻の就業形態と、役割分業意識の一致…の図、原典。

夫婦の意識と実態の一致が家族の幸福を生む。

お互いが得意な分野のスペシャリストになったり、子供の教育を重視する戦略をとるなら、性別役割分業のほうが幸福。共働きをしても幸せになれない。

夫婦双方のキャリア形成や、収入のリスクヘッジを重視する戦略なら、役割分業では課題解決にならない。共働きの方が幸せ。

意識と役割が一致している夫婦は約1/2。
革新型不一致、保守型不一致はともに約1/4。

末子の年齢が小さいと、革新型不一致になりやすい。共働きをしたくともできない状態。

子供が高校生・大学生になってくると、保守型不一致が増える。役割分業をしたいのに、学費のために働かなくてはいけない。

男性の方が、保守型不一致が優位に多い。女性のほうが革新型不一致が多いということはない。

親が同居していると、革新型不一致は減る(子の面倒を見てもらえる)。また、保守派不一致も減る(資金援助など得られやすい?)

現状では、革新型の意識よりも役割分業型の意識を持っている方が、出産~未就学児を育てている期間の葛藤は少ない(=幸せ)といえる。保育サービスの充実が社会の課題。

 

終章 対等な夫婦は幸せか( 永井暁子 

目次

  1. 「共働き」はどのように捉えられていたのか
  2. 妻の就業は夫婦を対等にするか
  3. 妻の就業、夫婦の対等性がもたらすもの
  4. 対等な夫婦関係はゴールではない

対等を目指すプロセスが大事。すべてを同等に分かち合うことは結婚の進化ではなく、むしろ絆の強い協調的で親密な結婚生活を築くための手段であった。

ピア・マリッジ(平等主義に基づく結婚)には、男女とも「関係中心の人」である場合が多い。家族との関係性を重視し、仕事を抑制するという対価が必要。

 

 

対等な夫婦は幸せか (双書ジェンダー分析)

対等な夫婦は幸せか (双書ジェンダー分析)