読書:『女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました1』
せっかく読書ブログを始めたので、この感想も。
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と見せかけた、エッジの効いた風刺作品。
東京医科大学の入試不正事件が発覚して、タイムラインが大騒ぎになった2018年夏。
私のタイムラインはこういう話にはっきりと怒りを表明するタイプの人が何人かいるので、それはそれは大騒ぎで。
私自身もあのニュースはとても不愉快だったものだから、延々とタイムラインを遡り続ける負のループにはまってしまって、わりと辟易していたタイミングで颯爽と投下されたなろう更新報告。
「天才か」と思った。
問題にしているモノははっきりと医科大入試不正事件なのに、文章を読んで素直に笑えたのだ。
あめこさんは以前からフォローしていて、アグレッシブな言動をカッコイイと思いながら見ていたお方だった。
さすがだと思ったし、すごいと思ったし、天才だと思った。
怒りを笑いに変えるのは、とても難しいことだ。
少なくとも私はとても苦手だ。
だから笑いに変えて、でも問題意識をあやふやにせず、作品に昇華したのが本当にすごいと思った。
その時の感動をツイートしたのがこれ。
「女だから、とパーティを追放された女魔導師は腹いせにレベルマ魔法剣士に転職して伝説の魔女と最強パーティを組みました」https://t.co/e2nuX0XFVm #narou #narouN5920EX
— 荻野 (@OginoYou) 2018年8月6日
私がニュースにショックを受けてる間に才能のある人はこんなものを書いてしまうのである。すごい。 pic.twitter.com/RFPSvKreCu
私の7年のTwitter人生で最大級にバズったので、(人のふんどしで相撲を取ってしまった...)と凹んだりもしたけれど、結果的に応援になったのでよかったと思う。
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書籍版はいくつか加筆されている。
この世界なりの「入試不正問題(女性の一律減点)」も描かれている。
ウェブ版だと、キャプション部分でチラッと触れているだけの内容だけど、紙にする以上、タイミングもずれるし、しっかり書いておく必要があったのだろう。
あと、ターニャとラプラスが大金を手に入れる経緯がちょっと違う。
あと、トーナメント戦最終決戦の経緯が全然違う。(ライアンがより小物になっている…)
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そして何より書籍版は、キャラクターイラストがとてもいい。可愛い。
この話の内容で萌え絵だったら台無しだと思うんですよね!
そして挿絵イラストがとても多い(最近読んだ僅かなラノベと比較すると、格段に多い気がする)。
おまけにカラー口絵までついている。
ウェブ版を読んだ人も、書籍版をまた読んでみればいいんじゃないかな!!
女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました 1 (オーバーラップノベルス)
- 作者: 蛙田あめこ,三弥カズトモ
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2019/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ウェブ版はこちら。
女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました!
書籍化されている内容の先にも、個人的に好きなシーンがいくつかある。女性の生きづらさだけじゃなくて、男性の生きづらさにも目を向けるあめこさんのバランス感覚がとても好き。
続きも書籍化されますように。。