ジンジャエールを飲みながら

大都会の片隅で働くしがないウェブ屋が、ウェブと全然関係のない読書とかアニメとかの感想を書き連ねるメモブログです。

読書:『大卒無業女性の憂鬱』

『大卒無業女性の憂鬱』を読み始めた。『逃げ恥~経済学』で紹介されていた本。

筆者が東京で働いたのち甲南大学で教鞭をとっている人で、東京と関西圏の比較になっている。

 

関西では、女性は「働かなくてもいい」と思われている

序章の「関西では首都圏に比べて女性は働かなくてもいいという考え方が強い」という話がとてもリアル。たしかに関西の友人と東京の友人を比べると、雰囲気の違いあるよね…。

私の生育環境的にはわりとそのへん革新派だと思うし、だからもちろんバリバリ働いてる関西住みの子もいっぱい知ってる。
けど、働かないことを選択してる(ように見える)子もいるんだよなぁ…というのがずっと不思議ではあった。

あと、序章で例にあげられてる「未婚で実家で暮らす西宮の山の手のお嬢様」とかめっちゃわかる~~って感じがする。

どうやらこれは関西に特徴的らしい。

女性の仕事が少ないのと、女性が働きに出ないのは、卵が先か鶏が先か…

関西では東京に比べて女性の正規職の募集が少ない。

その反面、女子の大学進学率は高い。なので、「安い賃金で、誰にでもできるようなパートの仕事でもいい」と思えない女性が増え、結果的に専業主婦を選ぶ。

また、「子育ては妻の仕事、子供を預けて働くなんてNG」という考え方も根強い。地域によっては幼稚園の延長保育や学童保育もなく、祖父母からの援助も受けにくい。

そんな状況では、余計に無理してパートに出なくても…となり、そんな地域には民間学童も利益がないから進出しない。

 

ほかの地域の話

東京でも専業主婦やパートは多い。が、未婚女性は正規職の割合が高い。

関西では未婚でも無業の人がいる。

北陸や北関東、中部では女性も働きに出るのが当たり前。
福井では「健康な嫁が家にいるなんてありえない」という考え方。

自分の周囲を振り返っての雑感

私の周囲では、和歌山のド田舎の親族も、働いている女性がすごく多い。

祖母も足腰が立つうちはお店をやってたし。和歌山でも大阪に働きに行く地域だと状況違うのだろうけど、物理的に大阪に通勤が不可能なエリアだと、北陸とか北関東に近い状況になっているのかもしれない。

逆に兵庫の祖母は結婚後ずっと専業主婦だし、叔母も主婦→パートコース。
母は非正規職→正規職でずっと働き続けていたので、地域からしても年齢からしても特殊なんだろうな。(最近、母は苦労したのだろうな、と思うことが多い。)

新卒の会社でお世話になった課長おねーさまは、二人の子供を育てながら正規職で働き続けた人。雇用機会均等法第一世代のバリキャリ系キャリアウーマン。すごい人。

母とか、課長おねーさまというロールモデルがあるから、「あの人たちみたいな体力はない…」とは思いつつも私の中で「仕事と家庭の両立」は特殊なことではなかった。
でも関西だと「結婚したら退職して、その後子供が学校に入ったらパート」のほうがロールモデルが多いらしい。


たしかに保育園も少なく、幼稚園の延長保育もなく、祖父母の援助もなければ「無理して就活しなくても、どうせ数年で働けなくなるし」みたいな感覚になるよな。実際結婚や妊娠で仕事やめる人も多かった。

なんなら私だって結婚を機に一度は離職して、2ヶ月ほど専業主婦やってた。それでもいいかも、って気持ちがどこかにあったんだ…。
1ヶ月で「無理!」ってなって再就職活動始めたんだけど、無理!ってなったときに就職できたのは東京だったからで、関西だったら「既婚者の再就職ぅ~~?」みたいなノリで門前払いくらってた可能性もあると思うととても怖いよね…。

 

大卒無業女性の憂鬱―彼女たちの働かない・働けない理由

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